※個人情報保護のため、場所や時期、内容の一部にフェイクを加えております。
先日、一本のお電話をいただきました。
お電話をくださったのは20代後半の男性。
「家の中をゴミ屋敷にしてしまったので片付けてほしい」とのご依頼でした。
現場は埼玉県川越市の一軒家です。
お話を伺うと、勤め始めた会社で上司との関係がうまくいかず、毎日のように厳しい叱責を受けるようになったそうです。
次第にストレスを抱え込むようになり、お酒を飲む量も増えていきました。
仕事が終わるとコンビニで缶ビールやお弁当を買い込み、自宅で深酒をする毎日。
酔ってしまうと疲れ果てて片付ける気力もなく、そのまま眠ってしまう。
翌朝は散らかった部屋をそのままに仕事へ向かい、帰宅するとまた同じことを繰り返す…。
そんな生活を約2年間続けてしまったそうです。
幸い、よくあるゴミ屋敷のように尿入りペットボトルはありませんでした。
さらに、お客様は虫が大の苦手だったそうで、お弁当やカップ麺の容器は毎回きれいに洗ってから捨てていました。
ゴミは大量にあるものの、生ごみの腐敗臭はほとんどなく、ゴキブリもいないという珍しい状態でした。
ところが、お客様がおっしゃるには、ある日とうとうゴキブリが一匹現れたそうです。
夜になると、ゴミの隙間から「カサカサ…」という音が聞こえるようになり、不安と恐怖で眠れなくなってしまったとのことでした。
「会社でのストレスはどうにもならない。でも、せめて家だけは少しでも快適な場所にしたい。」
そう思い、勇気を出して当社へご連絡くださいました。
作業の様子
今回の現場は、ゴミの量こそ多かったものの、腐った生ごみや悪臭はありませんでした。
容器もきれいに洗われていたため、分別作業もスムーズに進み、作業は終始順調。
スタッフ4名で作業を行い、1日ですべて完了しました。
作業後、お客様は部屋を見渡しながら、
「家がきれいになるだけで、こんなにも気持ちが軽くなるんですね。」
と、安心した表情で話してくださいました。
会社を辞めるのか、それとも続けるのか。
その答えはまだ出ていないそうです。
ですが、少なくとも「帰りたいと思える家」を取り戻せたことは、これからの人生を考える大切な一歩になったのではないかと思います。
ゴミ屋敷は「だらしない人」が作るものではありません
これまで私たちは、仕事でのストレス、人間関係、介護、病気、心の疲れなど、さまざまな理由でゴミ屋敷になってしまった現場を数多く見てきました。
ゴミ屋敷は、「だらしない人」が作るものではありません。
心が限界を迎え、片付ける気力すら失ってしまった結果として、誰にでも起こり得ることなのです。
実は私自身も、以前勤めていた会社で大きなストレスを抱え、心身ともに疲れ切った経験があります。
その経験があったからこそ脱サラを決意し、現在この仕事を始めました。
だからこそ、お客様の「片付けたいのに片付けられない」という苦しみや葛藤は、少なからず理解できるつもりです。
もし今、このブログを読んでいる方の中に、同じような悩みを抱えている方がいらっしゃるなら、一人で抱え込まないでください。
部屋は必ずきれいになります。
そして、生活環境が整うことで、心が少し軽くなり、新しい一歩を踏み出せることもあります。
私たちは、単にゴミを片付ける会社ではなく、お客様が新しい人生を歩み始める「きっかけづくり」のお手伝いができればと考えています。
一人でも多くの方が安心して暮らせる社会になりますように。
そして、悩みを抱えている方が少しでも笑顔を取り戻せますように。
そんな思いを胸に、これからも一件一件、心を込めて作業をさせていただきます。
文 (株)日本整理 高橋啓介






