②父親の遺体と2週間過ごした女性と凄まじいゴミ屋敷

※意図的に一部フェイクを混ぜて書かせて頂いております。

※ここに出てくる市町村は実際の市町村とは異なります。

 

①からの続き 

 

市と社協の職員さんのお二人とも一緒に家の中に入って現場確認をして頂けると思いきや、片付けの依頼者である娘さんが当社以外には入って欲しくないので当社だけで中に入って見積もりして欲しいとの事でした。

 

呼び鈴を押し15分くらいたってから前年に見た娘さんが出てきてか細い声で「お願いします・・・私は出かけるので見終わったらそのまま帰って下さい」言い残し去っていきました。

 

職員さん2人を残し家に入ります。

一年がたち、家の中はさらにひどくなっていました。ゴミの高さは平均で10~15センチは盛り上がった感じ。

去年見ていなかった2階にも上り、ゴミをかき分けながら各部屋を調査、当然ゴミが積もり押入など扉がある場所の中は見る事が出来ない。

 

全ての部屋のカーテンは閉まっており、照明も電球切れで昼間なのに懐中電灯で照らしながらの確認作業。

特に驚いたのが女性が寝室にしていたとみられる部屋。汚れのついた白いティッシュが天井近くまで積み上がり、真ん中の窪みに汚れきった毛布が置いてあります。

 

ゴキブリやハエがかなりの数おり振り払いながらの確認となりました。

 

何とか全てを確認し、外で待っている職員さんに家の中の写真を見せようとすると、見る事が出来ないとのこと。

 

家の中の全てを知られたくないと事前に言われて、それを条件に片付け業者を家に入れる約束だったとの事でした。

 

当社としてはしっかりとしたご家族の同伴が無い場合、必ずケアマネさんや関係者に一緒に現場確認して頂き、お見積りも依頼者様とケアマネさんをはじめとする関係者にもお見せしたうえで作業に入っています。

 

依頼者様が認知症だった場合、悪質な業者が法外な請求をすることがあり問題視されています。その為、ケアマネさんや関係者に見て頂くことで問題ないとの判断を行って頂いております。

 

今回の場合、明らかに女性は気持ちの問題を抱えていました。

何度か写真確認や見積もり確認をお願いするも、1年以上かけて築いてきた信頼関係が壊れかけないとのことで断られ、直接娘さんにお見積り書を提示することになりました。

 

職員さんたちと話していて分かったのは、昨年の男性が出てこなかったのは亡くなられたからとのことでした。

 

「先月半ばに亡くなられたようなのですが、それが分かったのが今月の初旬でして・・・」と、職員さん。

 

「えっ!?それはどういうことですか?」私が聞くと、

 

「近所の方が(娘さんの)お父さんが毎日外出に使っている自転車の位置が2週間も全く動かなかったことを変に思って警察に通報したんです。家の中に警察が踏み込むとお父さんが亡くなられていて、聞いたところ死後2週間だったそうです・・・」

 

私「寒かったからか、いわゆる孤独死の強烈な臭いはしませんでしたね。」

 

職員「娘さんは食事をお父さんにもって行ったら食べなくて、どうしたら良いか分からなかったと話していたそうですよ。」

 

職員さんと話し、本人の片づけたいという気が変わる前にともかく早く片付けをして欲しいというお願いをされその日は別れました。

 

携帯も持たない娘さん相手にポストに入れるお見積り書と社協さん経由で伺う依頼者さんの意向をたよりに何とか片付けの仕事も決まり、いざ当日。娘さんの意向で片付けは二人だけの少人数で行うことになりました。

娘さんは恥ずかしいのでしょう。片付けの最中は出かけるといって、最終日になる迄、昼間現場(彼女の自宅)にいることはありませんでした。

 

家の中は足の踏み場もないゴミ屋敷。

導線確保の為、玄関からゴミを纏めていきます。70リットルと90リットルのゴミ袋が瞬く間に一杯になり、そのまとめたゴミ袋が更に大きな山となっていきます。

 

ゴミをトラックに搬出しては、ゴミのまとめ作業の繰り返し。

大量に出てくるゴキブリなどの虫に悩まされながら作業を進めました。

 

ここまでは通常行っているゴミ屋敷とは大して変わりありませんでしたが、お父さんのいたリビングにさしかかると確かに孤独死されていたのであろうなと思わせる痕跡がありました。

お父さんの寝ていた布団付近が全て湿地帯のようになっているのです。しかし、特有の悪臭がない・・・。

 

3日かかりようやく一階部分があらかた終了。

お父さんが寝ていた部分の床は真黒く変色していました。

何年間も開くことのなかったカーテンと窓という窓を開け空気の入れ替え。

電気が切れ昼間でも暗闇の中であった家に久しぶりに光がさします。

 

それまで暗くて見えなかった部分が見えるようになり、壁は全てゴキブリの排泄物で茶色にそまり、天井はクモの巣だらけ。

 

床も天井も壁も押入の中も全てが汚れに汚れている状態でした。

  

 

 

 

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