脅威のゴミ屋敷!トンネルお父さんと十数年玄関で座って寝ていた奥様のお話です|埼玉県|

仰天のお片付けは普通のお見積り依頼から始まりました

この依頼は普通のお見積り依頼から始まりました。

 

いつもお世話になっている福祉事務所さんから電話があり、ゴミ屋敷になっているかもしれない家を片付けて欲しいのでお見積りをお願いしたいとの事でした。

 

話を聞くと、80代の男性が自転車走行中に転んでしまいとある病院に救急搬送。

現在入院中で、その入院中にゴミ屋敷と思われる方の家を片付けて欲しいとのことでした。

 

早速お見積り現場にお伺いすると、色とりどりのペンキで不思議な模様に塗られた塀や門扉に囲まれたゴミの中に埋もれたような家がそこにありました。

 

塀には「家の前に車を止めるな!」とペンキで大書きされていましたが、他に駐車スペースもなくそこに車を止めると近所の方が早速近づいてきて「ここに車を停めない方がよいですよ。すごい勢いで怒鳴られますから・・・」との事でした。

近くに駐車し再度現場に伺うと乱れた白髪でどう見ても数か月はお風呂にも入っていないような80歳を過ぎているようなおばあさんが立っていました。

 

これが今回お話するトンネルお父さんの奥様でした。

 

近所の方の話とは違い、笑いながら話しかけてきてくれましたが、片付けのお見積りの話は全く知らない様子。

福祉事務所の職員さんが来られるのを待ちながら、外から家がどのような状態かをみてみました。

 

確認すると、家にある全てのカーテンは部屋にあるものが崩れたのか窓ガラスにピッタリくっついており、ホコリやカーテンの変色具合から長期間このような状態になっていることが伺い知れました。

カーテンが窓ガラスにくっついている場合、多くは家の中がひどいゴミ屋敷になっているケースが殆どです。

これが進行すると家の中にあるゴミの圧力で窓ガラスが圧迫され、窓ガラスがわれてしまうことにつながっていきます。

 

家の外回りもどこかで拾ってきたであろう汚れた物品で溢れかえり、家の中はもっと酷い状況になっているであろうことは容易に想像できました。

 

いずれにせよ福祉の職員さんがこられるまでは家の中には入れないので外で待つことにしました。

 

いざ、家の中へ!

福祉事務所の職員さんが3名到着し、一緒に入院しているハズのご主人までが福祉車両で到着しました。

かなりの瘦せ型だが「こんなもの俺が片付けるから大丈夫だ!」と大きな声で話している。

入院している割には結構元気なお父さんらしい。

 

「尾上さん、いつもお忙しいところすみません。まだ家の中を見たことないのですが、ゴミ屋敷になっているらしく、今後介護用ベッドを入れたり、ヘルパーさんに入って頂かないと生活出来なくなるので何とかお願い致します。」

職員さんが見積り現場到着が遅れたことを謝りながら話てくれました。

 

「慣れているし、事情は分かっているので気にしないで下さい。では早速おうちに上がらせて頂きたいのですが、結構な状態になっている可能性高いですね。」と、カーテンが窓に押し付けられた状況などを軽く説明。

「いずれにせよ、私は慣れているので驚くことはありませんよ(笑)」など話しながら、ご主人と挨拶を交わし玄関に向かいました。

ご主人は一番奥の部屋で寝ているとのことでした。

 

外からしてとんでもない家で、家と塀の間はゴミや木くずやら、おかしな臭いのする袋で溢れかえっており、玄関の奥にはパルテノン神殿のような柱が数本立っており、どうやって乗せたのか分からないが、その柱の上に大型の鉄製物置が置いてある。

物置の下部は錆びて床が抜けており、柱の下はペンキの缶や大工道具、ゴミで溢れかえっている。

 

どう考えても家の中は尋常な状態ではないことは分かっていた。

分かっていたから驚くようなこともないと思っていた。

 

先に玄関に到着した女性二人の職員さんが中を見た瞬間に「キャー!なにこれ!!ひどい!」と大きな叫び声をあげる。

 

私が「大丈夫ですよ。慣れていますから。いつものことです。宜しいですか!?」と言って玄関前に行き中をのぞいた。

 

いきなりそこにはゴミの崖があった。

ここまではさして珍しくない。

 

通常であれば、玄関の崖を超えればその後は部屋の中央部がゴミで盛り上がっているか、壁際にゴミが積まれて中央部が凹んでいるかの部屋が待っていることが大半です。

玄関のゴミの崖を登り切り、まず初めの部屋に入るとゴミと天井の間に僅かなスペースしかない。

僅かなスペース以外は全て天井までゴミに埋もれている。

 

更に奥に進もうにも次の部屋に行く通路が分からない。

「そういえば一番奥の部屋で寝ていると言っていたなぁ」と思いながら狭いスペースを懐中電灯で照らしていると、小さなトンネルのようなものがある。

 

まさかと思いつつもトンネルに頭を突っ込み這いつくばりながら前進する。

ネズミのウンコがそこいらにあり「ひぇぇぇぇ」と心の中で思いながら前進。

 

するとすぐに次の部屋に出た。

 

出たのは良いがそこも天井までぴったりくっつく迄積みあがったゴミだらけ。

スペースはトンネルのみ。

まさか、あのお父さんはこのトンネルを本当にほふく前進しながら一番奥の部屋にまで行ったのであろうか

 

しかも真っ暗闇の中を・・・。

 

2部屋目でゴミが崩れてきて埋もれて脱出不能になる恐怖を感じ、ゆっくりと戻りつつ何とか脱出。

 

家の中の状況を説明しようと外にいる職員さんに話をしようと思うと、既に顔を青くしてお父さんに家の片付けを説得している職員さんがいた。

 

家の中の状況を話し、撮影した写真を職員さんに見せると全員唖然。

正直私も経験したことのないようなゴミ屋敷であることを説明した。

 

結果としてお父さんは1階部分のお片付けと家の外回りの片付けを承諾。

片付けている間はショートステイに留まることになった。

 

職員さんは数日あれば片付くと思っていたらしく、私から最低でも一週間、その後のリフォームも入れると早くても一か月は家に住めないことを伝えるとショートステイなどの手続きを取ってくださいました。

 

驚愕の家の状況と仰天のご夫婦の生活

結論から話してしまうと、家の中はわずかな移動スペース(トンネル)と玄関の僅かな隙間を除くと全て天井までゴミが詰まっているという状況でした。

 

次の図は家を上から見た図となります。

玄関から続く白く長細い部分がトンネルになります。

片付けが終盤に差し掛かり分かったのですが、このトンネルを匍匐前進していくと最後の部屋に行きつきます。

ここに僅かながら横になれるくらいのスペースがあり、ここでお父さんは寝ていたのです。

それが”ご主人寝室”と書いてあるマルで囲った部分となります。

ここにはつい最近まで寝泊まりしていた証拠、つい最近発刊された本や雑誌が置いてありました。

 

お父さんに何度も聞き直してもなかなか信じることができなかったのですが、お父さんは本当に真っ暗なトンネルをほふく前進しながら、一番奥の部屋に行きそこで暮らしていたのです!

因みに一番奥の部屋は照明があり、電球が一つだけ生きていた為、僅かばかりの光は灯すことができました。

 

そして奥様ですが、見てすぐにわかったのが足が悪いことでした。

まともに歩くこともままならない状態。

 

どこで寝ていたのか確認すると何と玄関で座ったまま寝ていたそうなのです。

”奥様”と書いてあるマルで囲った部分で寝ていました。

しかも最低でも十数年間!もしかしたら20年以上も座ったまま寝ていたのかもしれません。

座ったまま寝ていたのか足のむくみもひどい状態でした。

 

健康状態に問題があることは以前より分かっていたのですが、福祉関係の方や市役所の方がお父さんの家に近づくと怒鳴られていつも追い返されていたそうです。

 

因みに赤い点線が引いてありますが、ここを横から断面図としてみると以下のようになります。

 

玄関で座っているのが奥様。ゴミの上をほふく前進されているのがご主人様です。
玄関で座っているのが奥様。ゴミの上をほふく前進されているのがご主人様です。

何とトンネルお父さんは玄関のゴミの崖をまずよじ登り、ひたすらほふく前進して一番奥の寝床に行っていたのです。

 

奥様は足が悪いため、玄関のゴミの崖を登ることが出来ず十数年以上に渡り玄関で座って眠っていたのです・・・。

 

上のイメージ図を輪切りにしたのが以下の図となります。

基本、あるもの全てがゴミでした。

 

そして、ゴミを処分していて分かったことなのですが、一度ゴミの重量で床が抜け、床下にまでゴミが広がっているというおまけつきでした。

床が抜けてゴミが床下に散乱というのは何度も経験していますが、タタミの部屋まで全て床が抜けて床下にまでゴミが溜まっているというのは初めての体験でした。

 

いざ、お片付け開始!

福祉事務所さんからの依頼でまずは家の中を住めるようにして欲しいとのことでした。

 

上記の図の通り、トンネル以外は全てゴミで埋まっています。

当然トイレも全てゴミで埋まっていました。

 

普通このような場合、部屋の中には買い物袋にされた排泄物やペットボトルに入ったおしっこが大量に出てくるものなのですが、幸いにもご夫婦はトイレの横にある排水溝でおトイレを済ませており、衛生面で言えば、(当社比で)結構良い方でした。

 

男性スタッフをフル動員し、スコップでゴミを掘り返し袋詰めし搬出。

 

瞬く間にトラックがゴミでいっぱいになります。

 

この現場は夏の暑い日に行ったので、スタッフ全員汗だくになりながらの作業でした。

 

ゴミには地層が出来ていて、下に行けば下に行くほど古い新聞や雑誌、古い家電が出てきます。

玄関が終わり1番目の部屋で早速足付きのブラウン管テレビ(ほとんどアンティーク)や30年も昔の新聞が出てきます。

 

驚いたのは台所にあった冷蔵庫から出てきたミイラ化したサンマの賞味期限が1982年のものだったこと!

このサンマは40年近い歳月をへてようやく日の光に当たることができたのです。

この他にも40年以上昔に賞味期限が切れている缶詰!原型をとどめて居ないソファーなど・・。

 

日かかりようやく玄関、トイレ、台所、リビングが終わり第2の部屋に行きつきました。

 

上部に痩せた人がようやく通れそうな小さな穴(トンネル)がある以外すべてがゴミ。

ゴミの壁を前にスタッフさんが頑張ります。

 

1番目の部屋もそうでしたが、2番目の部屋の片づけでもスタッフさんを苦しめたのが足場の悪さでした。

 

ともかくありとあらゆる床が抜けている!

コンパネを敷いて足場を確保しながらの作業でした。

 

2番目の部屋は和室でタタミが敷いてあったのですが、タタミの上を男性スタッフがあるくとタタミが抜けてしまうという位にタタミは腐っておりました。

本タタミでかなりの重量物であるタタミが腐って抜けるなど考えてもみませんでした。

 

そして最後の部屋に到達すると、僅かに人が一人横になれるスペースがあり、そこにたくさんの雑誌や本が置いてありました。

人が居たこと思わせる特有の汗臭いにおいも強く、ここがトンネルお父さんの寝室であったことが分かりました。

お父さんは一番奥の部屋まで這って行っていると何度も口にしていたのですが、実際に寝床を確認し改めてお父さんが本当の事を言っていたことが分かったのと同時に仰天せざるを得ませんでした。

 

現場引き渡し

作業の途中、福祉事務所や市役所の職員さんが交代で何人も視察に訪れました。

 

作業風景、家の状況を見て皆様驚愕して帰られていきました。

 

きっと、この視察によってどこかの事例研修で問題提起されていくのでしょう。

 

途中、トンネルお父さんも進捗を確認しに、車いすで来られました。

「こりゃ~すげーなぁ!ひっでーもんだ!」と相変わらず大きな声で他人事のように笑顔で話すお父さんを面白ろおかしくも感じながら「あと少しで終わりますよ!」と声を掛けました。

 

 

一週間かかりようやく「片付け」だけが終了しました。

 

この後、知り合いのリフォーム業者さん、大工さん、電気屋さんへバトンタッチし、大急ぎでリフォームをしてもらいました。

 

見違えるほど綺麗にリフォームされた家にトンネルお父さんと奥さまが戻ってこられる前日の夜、当社からの寄付品のエアコンを取付け、冷蔵庫、電子レンジ、扇風機、お布団や家具一式などを搬入。

とりあえず、すぐに生活できる状態にまでして翌日に備えました。

 

現代風にリフォームされ、バリアフリー化された家を福祉事務所の職員さんが見て感激してくれながら、トンネルお父さんも奥様にも喜んで頂けました。

 

奥様は何年振りかのお風呂にも入り、十数年ぶりに横になって寝ることができたせいか、足のむくみも状態が良くなっており非常に元気になられていました。

 

その後は「またゴミが溜まりはじめちゃって、ヘルパーさんが何とかやってるけど、もしものことがあったらお願いしますね!」なんて職員さんに言われることはありますが、幸いにもまだ呼ばれていません。

 

トンネルお父さんも奥様も無事に平穏に暮らされていることを願っています!

 

終わり

 

 

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