③父親の遺体と2週間過ごした女性と凄まじいゴミ屋敷

※意図的に一部フェイクを混ぜて書かせて頂いております。

※ここに出てくる市町村は実際の市町村とは異なります。

 

②からの続き

 

2階に上がると悪臭を放つティッシュの山があります。

トイレはいつもバケツにして玄関先で流していたので、そのティッシュのようでした。

しかしあからさまに血の付いたティッシュも数が多い。

 

よく見てみると血の付いたティッシュは恐らく生理時のものであることがわかってきました。

 

便や血の付着したティッシュが天井まで届き、部屋全体が茶色がかった白色で覆われており

異様な光景となっていました。

 

部屋の真ん中は大きな窪みが出来ており、恐らく女性はこの不衛生な部屋で寝ているという

ことが分かりました。

 

女性と話したとき、「2階のベッドで寝ている」とか細い声で言っていたのですが、ベッド

はどこにあるのだろうと窪みのあたりのティッシュを2-3袋分ほど取り除くとベッドの一部

と思わしき敷物がでてきました。

 

2階も足の踏み場がなかった為、1階の時と同様にゴミというゴミをどんどんと袋に詰め、

1階に降ろし脚の踏み場を確保していきます。

 

茶色いティッシュをかき分けていくと、自分で切ったであろう髪の毛、ペットボトル、そして

色々な種類の本や雑誌が出てきました。

 

ふと目を向けるとファッション雑誌も結構沢山あります。

ご依頼者の女性は取りあえず身に着けられるものを身に着けるといった感じでお洒落とは

縁遠い感じでした。

 

しかし何十年も引きこもりながらも、普通の女性としてお洒落をして町を歩くことを夢見ていた

野ではないかと思うと胸が痛みました。

 

そして、たくさん出てきた本・雑誌の表紙を見てみて思わず立ち尽くしました。

 

ファッション雑誌だけでなく、他の雑誌にも「部屋を片付けて明るくなる」とか、「キレイな

部屋でストレスなく過ごす方法」とか、”片付け”ることを特集されている雑誌が殆どだった

のです。

本にしてもマンガ以外は家の中を片付けるハウツー本ばかりでした。

 

引きこもり外に出られないばかりにゴミ出しをすることが出来ず、綺麗な家に住むことを憧れ

ながらも、ずっと虫が湧き、大量のゴキブリが徘徊し、排泄物がそこらへんに落ちている

不衛生な家の中で耐えていたことを思うと彼女が可哀そうでなりませんでした。

 

父親の死がきっかけで救急隊や警察が中に踏み込み状況が把握されるまで誰も何もすることが

出来なかったのです。

 

もちろん、彼女や亡くなった父親は市の職員さんをはじめ、ケアマネさん、保健センターの

職員さんまでもを家の中に入れる事を拒み続けてきた事実が彼女の生活改善を遅らせて

しまったことは間違いありません。

 

 

 

 

 

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