
最初にお電話をいただいたとき、電話の向こうから聞こえたのは、か細く、それでいてどこか張り詰めたような女性の声でした。
今でもあの声は忘れられません。
今回のご依頼は、埼玉県久喜市周辺にお住まいの30代の女性からでした。
※現場は久喜市ではありません。敢えてぼかして書いております。
一度現場にお伺いしたとき、その方が玄関から出てきた瞬間、正直驚きました。
とても清潔感のある方で、まさかゴミ屋敷で暮らしているとは思えなかったからです。
ワンルームマンションの一室、ロフト付きのお部屋に一人暮らし。
最初は快適に暮らしていたそうですが、ある日を境に状況は大きく変わったと伺いました。
トイレの詰まりから始まった悲劇

「トイレが詰まってしまったんです。でも、恥ずかしくて業者も呼べず、自分で無理やり流してしまって……」
そう彼女は話してくれました。
その結果、排泄物がユニットバスに逆流して床一面が排泄物でまみれてしまったとのことでした。
「トイレは近所の公衆トイレを使ってたんです。我慢できないときだけ、自宅のトイレに……」
そう語る彼女の声は、どこか自分を責めるような響きがありました。
徐々に生活は乱れ、片付けもできなくなり、気づけば家の中はゴミで埋め尽くされていたそうです。
台所はゴミ袋で山ができ、シンクは詰まり、水が一切流れない状態に。
極めつけは、外出中に水が出っぱなしになり、部屋全体が水浸しになってしまったこと。
濡れたゴミは腐り、悪臭が漂い、もはや手が付けられないほどの状態になっていました。
女性が生活できるのはロフトのみ。
ですがそこもすぐにゴミでいっぱいになり、やがて床が腐って抜け落ち、部屋中がゴキブリだらけになったと話してくれました。
「ゴキジェットでやっつけても、全然減らないんです」
誰にも家の中を見せられず、外出も人目を避けて、足音が消えるのを待ってからそっと玄関を開け、急いで外に出る……そんな生活を何年も続けていたと聞いたとき、私も思わず言葉を失いました。
「私はもう、この部屋で一生を終えるんだと思ってました」

そして訪れた転機

ある日、マンションのオーナーから建物解体の知らせが届きました。
「引越し費用は出すので、退去してほしい」と。
「でも、今の状態でなんて渡せない。どうしたらいいか分からない……」
必死でネット検索をした女性は、当社・日本整理のホームページにたどり着いてくれました。
私が電話に出ると、彼女は震える声で事情を話してくれました。
「こんなに汚れてしまったトイレや浴槽、どうにかできますか?」
「本当に助けてほしいんです……」
そのとき私は、「大丈夫です。私たちがやります」と、心からお伝えしました。
現場での作業
今回の現場には、私・高橋を含めて4人で対応しました。
作業は2日間。
室内は想像を超える状況で、床は腐って穴が空き、釘があちこちから飛び出していて、ひとつ間違えば怪我をするような現場でした。
ガラスや陶器の破片、腐った食品ゴミ、そして何より、濡れてカビたゴミの臭い……防塵マスクをしていてもむせ返るほどでした。
私は主にユニットバスの清掃を担当しました。
便器の詰まりの原因を、正直、手で取り除くしかない状況でした。
思いきって掴み出し、強力な洗剤で何度も洗い、こびりついた汚れを削り落としていきました。
ユニットバスの床には排泄物が広がっており、それらも一つひとつ、丁寧に取り除いていきました。
時間はかかりましたが、最後には、なんとか使用可能な状態まで回復させることができました。
尾上他のスタッフたちは、床下に流れ込んだゴミを掻き出し、家具や生活用品、汚染された資材なども撤去。
現場の安全を確保しながら、徹底的に清掃していきました。
幸いにも建物は解体されるとのことで、原状回復の必要はありませんでしたが、私たちは「次の一歩」を支えるつもりで、できる限り丁寧に仕上げました。
※写真や動画の使用許可は得ております。

涙の先に見えたもの
作業が終わったあと、彼女に部屋の中を見ていただきました。
その瞬間、彼女は泣き崩れました。
「本当に……もう一生この部屋から出られないと思ってた……」
何度もそう繰り返しながら、今まで誰にも言えなかった気持ちを、私たちに話してくれました。
「だらしない女って思われるんじゃないかって怖かった。でも、誰も笑わないで、寄り添ってくれて……感謝しかないです」
私たちはしばらく話したあと、知り合いの弁護士さんを紹介し、何か不動産屋さんやオーナーさんと揉めることがあったらそこへ連絡するよう伝えて現場を後にした。

当社としての想い
今回の作業を通して、改めて感じました。
私たちの仕事は、ただゴミを片付けることではないということ。
絶望の中にいる誰かが、もう一度人生を立て直すきっかけを作る。
そのサポートができることが、どれほど尊いか。
誰だって、状況次第で部屋が荒れることはあります。
恥ずかしいと思う必要なんて、本当はないんです。
けれど、そう思ってしまう気持ちも、痛いほどわかります。
だからこそ、私たちは絶対に笑いません。
責めません。
どんな状態でも、真正面から向き合って、力になりたいと思っています。
これからも、心を支える存在でありたい
一人で抱え込んでしまう前に、どうか声をかけてください。
私たちは、話を聞く準備ができています。
そして、片付けの先にある“新しい生活”を、一緒に考えていきたいと思っています。
これからも日本整理は、そんな「生き直し」を応援する存在であり続けます。
おわり
(文 高橋啓介)
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