第1話: 自宅の真横でホームレスになった母息子のお話|ゴミ屋敷|動物屋敷|ネズミ屋敷|猫|犬|死骸|さいたま市

歴代トップクラスのとんでも屋敷でした

今まで酷い犬猫屋敷、ゴミ屋敷、ネズミ屋敷などの動物系屋敷、生ゴミ屋敷、動物の死骸屋敷などを見てきました。

 

今回の家はそれぞれのカテゴリの中ではトップではないものの、全てにおいて平均点を大きく上回る酷さであり、総合点でいったら当社の片付け歴の中でも間違いなくトップクラスに入るものになったかと思います。

 

話が長くなってしまうので、2回に分けてブログを書いてみたいと思います。

今回は第一回目となります。

宜しければごらんくださいませ。

 

 

ここの家には年齢が70歳過ぎになる母親と、重度の精神障害を持つ40過ぎの息子が暮らしていましたが、数年前より母親の精神状態が急変。

 

突如として町中にあるゴミを拾いあつめたり、盗んできたりして自宅に収集、また もともと資産家の家系であり裕福であったことから洋服という洋服を買いあさり、食べきれないほどの食品という食品を買っては家の中や外に放置して腐らせてしまうということをはじめてしまいました。

 

また、元来の動物好きは良いものの、街中にいる犬や猫を拾い集めては狭いゲージの中に押し込め、水の代わりにビールやコーヒーを与え、食事も与えず犬も猫も虐待死させてしまうことを繰り返し行い始めました。

 

 

 

今回はこのようなにわかには信じられないようで実際にあったお話をしてみたいと思います。

※いつもの通り若干のフェイクを加えてお話します。

 

福祉事務所から電話が鳴る

とあるぽかぽか日よりでちょっと気を抜くと気持ちよくなって昼寝でもしてしまいそうな6月のお昼過ぎのことでした。

 

お世話になっている福祉事務所の方より電話がなった。

 

「日本整理さん、お世話になっております。突然ですけれど、明日朝10時ころに見積り&GOで片付けて貰いたいところがあるのですが、お願いできますか!?」焦ったような声で話される。

 

尾上「大丈夫です。どうされましたか!?」

 

職員さん「家の中や庭はともかくとして、家の周囲をまず片付けて欲しいんです。来てくだされば分かりますが、とんでもない状況になっていまして・・・。とある親子が家と庭をゴミ屋敷にしたあと、家の周囲もゴミだらけにしてしまって苦情がものすごいんです。」

 

尾上「似たようなところは今までも何度も経験しているので大丈夫ですよ。それでは明日現場でお会いしましょう。」

 

職員さん「大量の虫やネズミが発生しているみたいなのです。何とかお願いします。」

 

と言い、会話は終わった。

 

母息子との初対面

翌日、女性の職員さんと近くのスーパーの駐車場で待ち合わせ現場に赴く。

 

外から見ても家の中はゴミで埋もれており、駐車場も庭もゴミでいっぱいだった。

 

何より、道路にもゴミが散乱しており、歩道にはリクライニングチェアと大きなパラソルがいくつかある。

また、汚れた毛布も散乱している。

路上で寝泊まりしている事は明白だった。

 

生ごみも大量にあり、悪臭を放つとともに細かくちぎれた包装材が大量に散らばっている。

見る人が見ればすぐに分かるが、ネズミがかじったあとであることは一目でわかった。

 

職員さん「もともとは家の中で住んでいたのですが、家がゴミで埋もれたら駐車場で寝泊まりするようになり、駐車場に住めなくなったら庭に住んでいたのです。そして、庭でも住めなくなってからついには歩道で寝泊まりするようになったそうなのです。トイレも歩道で済ませていて近所からものすごいクレームが来ています。」

 

尾上「これはひどいですね・・・。」周囲を見渡しながら職員さんと目を見合わした。

 

職員さん「今回はともかく道路にまで浸食してしまったゴミとカーポート(屋根付きの駐車場)の中を何とかして欲しいのです。本当は家の中で住んでもらいたいのですが、一日で出来る作業ではないかと思いますので・・・。路上ではなくせめて自宅の駐車場で寝停まりして欲しいとは思います。」苦しそうな顔をして話した。路上もカーポートもゴミで埋もれている。

 

その時でした。

 

遠くから男性の怒声が響いた。「てめーら何しているんだよ!!なんでトラックがあるんだ!人のもの勝手にもっていくんじゃねー!」

 

見た感じ40過ぎの男性が犬を2匹つれて怒鳴りながら歩いてこっちに向かってくる。

一緒に白髪で高齢と思われる女性も一緒にいる。

 

男性は顔もひきつっており、正直なはなし私は恐怖を覚えたほどです。

 

職員さん「あの男性がここの住人です。母親と一緒に暮らしています。白髪の女性が母親です。心の病を抱えているのでご理解ください・・・。心は小学生のままなのです。」

 

男性が家にまでくると、職員さんに怒鳴り散らすように「こんな人たちを読んだ覚えはない!すぐに帰れ!」とものすごい剣幕でまくしたてます。

職員さんも成す術がなく答えられずにいると、男性が私に向かい「何しに来たんだ!」と怒鳴り始めました。

「困ったなぁ・・・」とどうしたらよいか思案しましたが、非常に感情的になっている人相手に妙案もない。

 

職員さんと、うちのスタッフ、そして私で一生懸命説得を開始し、約1時間ほどしてようやく家の周囲の片付けの了承を取り付けた。

 

母息子の路上生活と酷い生活環境

まず、路上生活というだけですでに酷い生活環境であることは間違いないのですが、道路に散乱している生ごみはネズミに食い荒らされており、物をどかしたりする度にネズミが逃げ出す状況・・・。

 

トイレは近くの公衆トイレで済ませているとのことでしたが、お小水は間違いなく路上でしていました。

近所への聞き込みでも「お母さんがいつも公衆の面前でお尻を丸出しにして用を足しているので困る」という話を聞くことができた。

まだ大便が転がっていないだけ、マシでした。

 

どこで拾ってきたか分からないような傘が何十本も転がっており、ペットボトル、食品、テレビもないのに大量のDVDやCDが転がっている。

 

路上の全てが腐っていて、お小水の臭いと合わさって酷い悪臭がしていた。

また、カーポートの中にはゲージに閉じ込められた猫や犬のゲージもあり、動物臭も混ざり悲惨な状態になっている。

 

「ネズミがかなりたくさんいますね・・・」私がお母さんの前でつぶやくと、

 

「ネズミは隣の家から来たんですよ!本当にこまっているの!」と真顔で言う。

 

「(ここもか・・・)」と内心思った。

 

ネズミ屋敷の“あるある話”なのですが、ネズミ屋敷の住人は必ずといっていいほど「ネズミは隣の家からやってきた」と言い訳をします。

どう考えても、少なくともネズミ屋敷の住人宅で大量発生してしまっているのにも関わらず。

 

議論してもしょうがないので、「なるほど大変ですね」と返すようにしている。

 

それにしても酷い状況だった。

 

いざ、お片付け開始も問題だらけ・・

その日のうちに、家の周囲とカーポートを片付けて欲しいとの依頼。

物量的にはトラックに満載にゴミを積み込めば、路上とカーポート半分くらいのゴミは回収出来そうな感じではあった。

 

いざ、お片付けを開始したものの問題があった。

ゴミを袋に入れるたびにお母さんや息子さんが「すれは捨てちゃダメ!」、「まだ使うんだから!」と言い出し、作業が中断。

 

袋詰めしたゴミ袋をお母さんや息子さんが破って中身を取り出したりするので作業がなかなか進まない。

 

ネズミも大量に発生していてそこいらじゅうで逃げ回っている。

 

結局袋詰めしたり、中身を取り出されたりしながらで作業はほとんど進まず路上のゴミをある程度取り切ったところで作業は中断しました。

 

因みに、袋にゴミを詰めるときは、職員さんに気を引いて頂いている間に私たちがどんどんゴミを回収していくスタイルをとりました。

法律論的に言えばよろしくない方法なのかもしれませんが、他の現場でもほぼ同じことを行っています。

福祉職員さんと私たちが編み出した苦肉の策といったところです。

しかし、これで少しでも衛生的に、健康的な生活を送れればと考えております。

 

 

その後、

福祉事務所の職員さんと話し合い、3か月連続で月に1回お片付けを行っていくことになりました。

 

片付けても片付けても状況は悪化する一方。

 

カーポートの中を片付けて、そこに住まわせるということも出来る状態にはありませんでした。

 

拾ってくる動物も日増しに増え、猫も当初は1匹だったのが5匹に増えている。

悪臭も強くなり、片付けに行くたびに私がご近所さまからの苦情の聞き役になる。

 

8月にもなり、40度近い気温のなか水も餌もろくに与えられず近くを通るたびに私が餌や水を上げていた。

お母さんと息子さんが動物に与えているものはビールやコーラ、コーヒーだった。

固形物はパンやお菓子を与えているようであった。

 

動物たちは暑さと栄養失調でストレスが溜まり、毛は抜け落ちていた。

犬2頭は一つの小さなゲージに押し込められて、ストレスで吠えながら体の大きな一匹がもう一匹をひたすらかみつけ、かまれた犬は叫び声をあげていた。

 

猫も毛は抜け落ち、全身にぶつぶつが出来て皮膚病になっているようでした。

 

福祉事務所も何とか状況を打開しようと、愛護団体や動物病院の獣医さんに来てもらい母息子を説得したり、食べ物を与えたりしていました。

 

息子さんの保護者であるお母さんは明らかにおかしくなっているものの、意識ははっきりしており、また判断能力もあると診断されてしまうとのことで、さまざまな法律に阻まれ出来る事は限られているようでした。

 

母息子と言えば、動物に関して言えば「ちゃんと餌もあげているから大丈夫!」と一切聞く耳を持たず、相変わらずの路上生活を送っていました。

息子さんに聞くと何と台風の日もリクライニングチェアで寝て、数本のパラソルで雨風をしのいだとの事でした。

徐々に進展していく状況

福祉事務所さんからは「いずれ母息子には後見人をつけて、しかるべき方向に進めていく。いずれ家の中も外も全てお片付けしてもらうので家の中も確認して総額の見積りを算出お願い致します。」と、伝えられていました。

 

幸いな事に今回の現場は当社が仕事で頻繁に訪れる場所のすぐ近くにありました。

そのため、時間があれば私は母息子に会いにいき、雑談をする中で信頼関係を構築していくことに成功していきました。

 

ある日、母息子に家の中を見せてもらいたいと伝えたところ、何とかOKを頂き家の中に上がらせて頂くことが出来ました。

 

いざ、家の中へ・・・

ゴミ屋敷でありがちなのですが、家の中へは窓から入ることになりました。

 

まず、猫屋敷特有の強烈な悪臭、そしてネズミの糞尿の臭いなどが鼻につきました。

恐らく一般の方では家の中にも入れないほどの強烈な臭いでした。

 

それに胸の高さまで積みあがったゴミというゴミ。

普通の不用品に混ざり生ごみが混ざりこんでいる為に不衛生な状態となっている。

ネズミ捕りもそこいら辺に置いてあり、ネズミが罠にかかったまま白骨化しているか、干からびている。

 

平屋の家で3LDK、そこに増築されたテラスなどがある。

全てがゴミで埋まっていてとても住める状態ではなかった。

 

一部屋一部屋写真をとり、頭の中で見積り金額を積み上げていく。

 

部屋の中ではガラスの破片で足を怪我しないか、ネズミの死骸を触ってしまわないかひやひやしながら移動しました。

 

 

 

次回は・・・

※今回の話は2回に分けて掲載致します。

 

次回はついに家の中のお片付けも決行することに。

 

飼われていた犬2頭、猫4匹も家の敷地内で死んでしまい白骨化。猫一匹は逃げ出すことに成功。

 

家に飾られていた母息子の昔の写真を見て驚愕。

 

母息子は無事に後見人の司法書士さんが付き、平穏無事な生活を取り戻すことに成功しつつある。

 

こんな事を書いていきたいと思います。

 

 

 

 

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