知り合いの業者からの電話
この現場を片付けたのは今から5年ほど昔の話となり、ちょうど私が会社をおこしてまだ1年もしないころでした。
当時は駆け出しでお仕事もあまりなく、同業者から現場を譲っていただいたりしておりました。
そして、このお話は当社とお付き合いのある同業者からの一本の電話から始まりました。
いつもの通り、若干のフェイクを加えながらも9割以上は実話の形で話を進めていきます。
同業者さん「すみません、尾上さん。お願いしたい現場があるのですが・・」
尾上「大丈夫ですよ。どのような現場でしょう?」
話を聞いてみると、知り合いの同業者さんが入りたくないような、ともかく汚い現場とのことでした。
私としては仕事があるにこしたことはなく、汚かろうが、綺麗であろうが当時も今も関係はありませんでした。
この業者さんは片付け屋さんでも汚れているところは敬遠する傾向にありました。
早速、現場確認の日時を調整し同業者さんと現場に向かいました。
現場は驚愕のゴミ屋敷!
現場到着すると、同業者さんは「僕は中には入れませんので尾上さん、すみませんが中を確認してきてください」との事。
鍵を渡され、ドアを開けた。
そこに広がっていたのは一面のゴミ屋敷!
上の写真は室内に入ってから玄関に向かって撮影した写真となります。
※ピンぼけすみません。
※急ぎと言われていたので夜中に見積りに行きました。
今となってはこの程度のゴミ屋敷は中の下程度のもので驚くこともありませんが、当時の私としてはかなり衝撃的な光景ではありました。
トイレはゴミの堆積で扉が開かず、小さな隙間から中を見るとおぞましい光景が広がっています。
玄関からリビングに続く通路のゴミは堆積していたとしてもせいぜい30cm~50cm程度でしたが、リビングにはいるとゴミの量が一気に増えました。
玄関からリビングへ抜ける通路を片付けおわったところ。
一気にゴミの量が増えるのが分かるかと思います。
おおよそ、ゴミの高さが50cm~150cm程度にまで一気に上がりました。
平均で90~100cmくらいといった印象です。
みなさん、冷蔵庫やガスコンロがある高さならイメージつくと思うのですが、リビングのゴミの高さの下限がこれくらいでした。
部屋の中央部はさらに盛り上がっており、中央部盛り上り型ゴミ屋敷の典型でした。
中央部盛り上り型ゴミ屋敷は部屋の中央に部屋の主がゴミをポイポイ投げていくので、部屋の中央がゴミで盛り上がります。
それに対して、寝室に使っている部屋は部屋の中央で主が寝ており、壁際に向かってゴミをポイポイなげすてるので中央部が凹んだ状態のゴミ屋敷となる傾向があります。
そのため、リビングは中央盛り上り型ゴミ屋敷で隣の寝室として利用していた部屋は中央部凹み型ゴミ屋敷となっておりました。
リビングから隣の部屋へ狭い隙間を抜けていくと、中央部に凹みがあり、強い湿り気のある布団がおいてあり、そこがここの住人の寝室だとうことが分かりました。
当時の私は驚きの連続で、どうやって見積もるかを若干混乱しながら現場調査していたのをよく覚えています。
ともかく、その場でお見積り金額を出すと、すぐさま作業して欲しいとの事で、その日の夜から作業が始まることになりました。
ドリフのコントのような背景
現場を離れる前に同業者さんへ背景などを確認していると驚愕の事実が分かりました。
なんと、このゴミ屋敷に住んでいた住人は40台の男性であり、とある日家の中で倒れてしまい(どうやって倒れたのが分かったか不明も)無事に救急搬送されて現在とある病院に入院中とのことでした。
お母さまが岡山県にお住まいとの事で連絡がいき、お母さまが急いで関東まできました。
恐らく息子さんに着替などを届けようとしたのでしょう。
息子さんのご自宅(今回の現場)に行って扉を開けました。
そこに広がるは一面のゴミ屋敷・・・・。
見渡す限りゴミの光景をみて、お母さまは玄関先で卒倒し意識を失ってしまったそうです。
それに気が付いたご近所の住人が救急車を呼び、お母さまは緊急搬送されることになりました。
救急車で搬送された先はなんと息子さんが入院している病院でした。
こうして、仲良く母息子そろって同じ病院に入院することとなってしまいました。
難航するお片付け
いざ片付けが始まります。
ともかく足場を作る為に玄関を人数をかけて一気に片付けます。
ゴミを外に出す導線が出来てから一気にリビングをやっつけようとするのですが、この作業がともかく難航しました。
ゴミの表層は簡単にはぎ取っていけるのですが、中層が完全にヘドロと化しており、ともかく臭いのと全てのものが腐っており取り出しずらかったです。
上の写真で私の足から少し下あたりが、黒っぽくなっているのが分かるかと思います。
写真だと実際のヘドロ感を伝えずらいのですが、写真で見る以上にジメジメしており強い悪臭を放っておりました。
どうしてこんなに水っぽいのかなと思っていましたが、すぐに答えがわかりました。
このジメジメしているものの正体はここの住人のオシッコだったのです。
上の写真でもわかる通り、玄関入ってすぐのところにトイレがあるのですが、ゴミが邪魔してトイレの扉を開けることが出来ない状態となっておりました。
つまり自宅でトイレを使用できないのです。
にも拘わらず、写真を見て貰えば一目瞭然なのですが、大の酒好き!
大量のお酒の缶があります。
お酒を飲んだら当然トイレに行きたくなります。
ところが、ここの住人はトイレに行きたくても自宅のトイレに入ることが出来なかったのです。
ではどうするのか!?
答えは簡単です。
飲み干したお酒の缶やペットボトルにオシッコをするのです。
ペットボトルに入っているオシッコはまだマシでした。
なぜならばキャップで栓がされているからです。
問題なのは缶にされたオシッコでした。
それらが倒れてゴミの中にオシッコが染み込み、ゴミの中層がオシッコの水分で腐りヘドロと化していました。
たんたんとお片付け!
途中、スタッフさんの靴の中に缶入りの腐ったオシッコが流れ込みとんでもない悲鳴を上げたり、4リットルの焼酎ペットボトルに入ったオシッコが漏れ出したりとハプニングに見舞われながらもなんとかお片付けは順調に進みました。
このころになるとかなりゴミの量は減ってきました!
当時はまだゴミ屋敷自体に慣れていませんでしたが、この現場をこなすことによってかなり経験値はアップしたのではないかと思っております。
その後
今回紹介したゴミ屋敷を遥かに凌駕するゴミ屋敷の数々と対峙していくことになりますが、当時駆け出しであった私を間違いなく鍛えてくれたのはここの現場だったのだろうなと思い返すことが多いです。
因みに卒倒されてしまったお母さまは、一日で退院されすぐに岡山に戻られてしまいました。
この息子さんのお部屋のことを思い出したくなかったのかもしれません。
息子さんと言えば・・・・、その後、部屋から出てきた書類からなんとご職業がお医者様ということが分かりました・・・。
当社は商売柄ケアマネさんとの絡みが多く、その流れでケアマネさんのご自宅を片付けることも結構多いです。
ケアマネさんは忙しいのでご自宅の事をかまっている事が難しいとの事。
お医者様も同じでしょう。
お忙しいのはよくわかります。
とくにコロナ騒ぎで世界が大慌てしていたりする今ならなおのこと・・・。
しかし、しかしです。
ご自身が倒れてしまうほど、不衛生にはなされないほうがよろしいのではないかと思ったりします。
私自身への自戒の意味もこめて・・・・。※ここ大切!
おわり
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